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                    「熊野古道一人歩き」   00.11.5〜6. 

 
熊野古道の入り口 滝尻王子にある「熊野古道館」
ここで スタンプ帳を貰って 王子跡のスタンプを押して回るのも愉しみの一つです。
     

 


滝尻王子から急坂を登ると 不寝王子への途中に乳岩があります。
藤原秀衡の妻が出産した子に 岩が乳を与えた伝説の場所です。
ここの暗がりで咲いていたサザンカの紅色は 強烈な印象でした!

 ネズ王子の走り根の道も 戦慄的です。

 

長い長い山道を登りきると逢坂峠。 昔は海と山の産物がここで出合って物々交換されたので この名が付いたとか・・・
峠を下ると牛馬童子口のバス停。 「道の駅なかへち」があります。
  牛馬童子像(花山法皇の旅姿と云われる) 

 


牛馬童子像から箸折峠を少し下ると 近露が見えてきます。
桃源郷といわれ 後鳥羽上皇が和歌の会をされたり、多くの詩歌に
その名を残す宿場町です。
     近露王子の石垣下の 磯菊

近露王子から比曽原王子〜継桜王子までは 軽い山坂と点在する家々が愉しい。茶の木が多く植えられ 垣根は茶の花盛り♪ 軒先の”熊野古道”の提灯が道標代わりなのも素敵!
   

継桜王子は杉の巨木群が素晴らしく 崖下に「名水百選 野中の清水」があり 
”いにしへのすめらみかども中辺路を 越えたまひたり のこる真清水”と斎藤茂吉の句碑が建っています。

      

継桜王子の杜に寄り添う「とがの木茶屋」の縁側に腰掛けて、谷の向こう 熊野の山々の展望を満喫する!
惜しむらくは すべて植林であること・・・紀州は木の国なのでありました。

近くには 藤原秀衡の伝説を残す「秀衡桜」があります。
秀衡桜、中ノ河王子 と歩いて引き返し
萱葺き屋根の宿「とがの木茶屋」に泊りました。

食事は 囲炉裏のある茶屋風の棟で(上の写真)
江戸時代にタイムスリップしたような雰囲気♪
薪をくべ足しながら炉明かりのなか、鹿肉の刺身や天然ナメコなど美味しく(地酒も少々(^^ゞ)頂きました。

翌朝 谷底にある新国道のバス停まで 1.5k 歩きました。ここからJR紀伊田辺駅までバスに乗ります。
この辺は 山の上部から 
熊野古道  旧国道  新国道  と道が三段構えになっています。旧国道もバスが通っています。

バス停近くの 猪垣をした畑で芋掘りをしていたおじさんの話では 「イノシシも鹿も猿も来て荒らしていくぞ! 熊野古道から上はカモシカも出る!」

バスに乗り合わせたおばさんは
「今年は猪が多うてなあ 庭に植えてあるユリの花の球根まで 食べられてしもうた」  おばさんに頂戴した草餅の美味しかったこと♪   おばさん本当に有難うございました!


                 ”鹿鳴けり紀州木の国熊野みち”   よし乃

交通

熊野古道中辺路は JR紀伊田辺駅から 本宮行きのバスに乗って「滝尻」下車、滝尻王子から山道を辿ります。
バス便は新国道経由本宮行きのほかに 旧国道沿いの栗栖川行き その他があります。

☆今年は中の河王子まででした。霊気漂う樹林の道、暗がりから飛び立つ黄蝶に女人の魂を感じた一瞬の畏怖! 後先に降る木の葉に首筋をなでられたり! 誰か憑いてくるような気配がして あえぎながら振り返る急坂・・・
でも 地元の人々は優しく 心暖かに声をかけてくださった♪ 素晴らしい旅でした。
来年また続きを歩きます。
                                   

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